目次
はじめに
今回は世界でどのような幼児教育をやっているかご紹介します!
それぞれの国ではいろいろな幼児教育が行われています。
世界というとみなさんは主にヨーロッパやアメリカなど思い浮かべると思います!
もちろん、それらの国で行われている幼児教育も紹介しますが、
みなさんが予想していなかった国でも不思議な幼児教育が・・・
自宅で簡単に取り入れることも可能なものがあるので、
ぜひ気になった方は参考にしてみてください!
世界で行われている幼児教育
フィンランドの幼児教育
フィンランドの学力の国際比較においても総合でトップ
現在、フィンランドの幼児教育は世界的に注目されています。
なぜならフィンランドの学力の国際比較においても総合でトップの成績にあるからです。
フィンランド式読み聞かせなどもある通り、
フィンランド独自の幼児教育が子どもの成長に良い影響を自然に与えていることが考えられます。
フィンランド式読み聞かせを知らない方はぜひこちらの記事をみてください!
絵本の読み聞かせで考える力をつけさせるフィンランド式読み聞かせとは?
半強制的に国語力が高められる生活環境
幼い頃から家庭での読み聞かせ(フィンランド式読み聞かせ)の週間が定着していることや、
市立図書館の数が多く、蔵書も充実していること、補習授業など遅れてる子どもへのサポート体制が整ってることなどが、高い学力の理由がたくさん挙げられます。
また、こども向けのアニメ以外のほかのテレビ番組は全て字幕で放送のしており、
外国製のテレビ番組が多いので、テレビを見るのも、
子どもにとっては字にふれたり、読んだりする練習になります。
字幕放送は、ほかの国の言語が流れるということなので、
国語だけでなく、英語などの外国語に耳がなれて、聞き分けられるようにもなります!
ここまでふまえると、フィンランドでは、半強制的に国語力が高められる生活環境に
あることがわかります。
もちろん、他にも様々な学習を元に総合学習を行なっているフィンランドですが、
大きな基礎を自然に育める環境ができていることは大きいです。
学力の基礎は国語力(母国語)と言われています。
むかしから大切にされてきた絵本の読み聞かせを重視し、
日本でももっと国語力の向上とこころを豊かにする教育(情操教育)
を積極的に行なっていくのもよいですね!
ドイツの幼児教育
ドイツシュタイナー教育
ドイツにはシュタイナー教育というものがあります。
これは、ドイツの教育者、ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)が実践した教育法です。
成長を7年おきに捉える
ドイツシュタイナー教育では人間の成長を7年おきにとらえる方法があります。
1・第一七年期(0~7歳)
意志の成長
この時代のこどもは模倣によって学習することが多いです。
そして、模倣するということは体をつかうことであり、
体を使うということは、その子どもの「意志」によって動かしているということになります。
このように「意志」をつかうのがこの第一七年期(0~7歳)になります。
2・第二七年期(7~14歳)
感情の成長
これはちょうど母語を覚え始めるときの段階になります。
このときは「意志」をつかう第一七年期とはちがって「頭をつかう」というステップに入ります。
3・第三七年期(14~21歳)
思考の成長
これはとくに「判断力」を指します。
自分で考え、判断する力を身につけるという段階になります。
ほかにも、全ての教育は芸術的に行なわれるべきとし、
リズムや図形等のイメージ的に物事を理解に結びつける考えかたも提唱しました。
数字の3を理解するには3拍子のリズムに合わせて数えたり、
三角形の絵を描いたり、三角形に歩いたりと、イメージしやすいというところを重要視しています。
幼児には理屈などよりイメージ的なものが理解に結びつきやすいことを踏まえ、
それを教育にとりいれたすばらしい教育法です。
フレーベル幼児教育
ドイツの教育者であるフリードリッヒ・フレーベルフリードリッヒ・フレーベルが
実践した幼児教育です。
子どもの本質を神のようなものとして捉え、
この思想に基づいて受動的、追従的な教育(先生の言うとおりにやる)を主張しました。
植物の性質にしたがって、水や肥料をやり、
日照や温度を配慮し、また剪定するように、
教育者も子どもの本質にあわせて、段階ごとにに、働きかけなければならないとされました。
そして、そこから彼のKindergarten―幼稚園(子ども達の庭)という名称が生まれました。
また、彼は人間の発達の連続性を主張しました。
この立場から子どもの教育はその段階に合わせなければならず、
早期教育などには反対の立場を示しました。
この立場から、彼は幼稚園の教育内容は、遊びや作業を中心にすべきものと考え、
そのために遊具を考案し、花壇や果樹園からなる庭を幼稚園に必ずおくべきであると主張しました。
イタリアの幼児教育
モンテッソーリ式幼児教育
イタリアの幼児教育で最も有名なのは、
マリア・モンテッソーリのモンテッソーリ式幼児教育です。
これは日本でも広く知られています。
マリア・モンテッソーリ(1870~1952)はイタリア国内で女性初の医学博士であり、
知的障害児の治療成果から一般の幼児教育に応用した教育者です。
モンテッソーリ式幼児教育を専門的に実践する「子どもの家」と呼ばれる場所で、
「教具」と呼ばれる良く考えられた木製のおもちゃ(子どもの感覚を刺激する)を使用した
「感覚教育」を行います。
現在、注目されてきている幼児教育では折り紙やはさみでかみをきったりなど、
五感をやしなうことが大切とされています。
形や大きさ、重さなど、楽しい遊びの中で数や大きさなど、さまざまな感覚を
自然に身につけられることをめざしています。
幼児が生まれながら持つ、自ら学ぼうとする力に着目し、
幼児期の発達に適した環境を整えることにより、幼児自ら考え、決断し、行動をするという
”生きる力”の基礎を作る考え方です。
日本ではこれをモデルにしている幼児教育が多いです。
ただ言われた事をする゛良い子゛ではこれからはいけません。
好奇心をもって、発見し、学び成長する子どもたちが活躍していく時代です。
モンテッソーリ教育は自ら成長する力、生きる力を育む大変素晴らしい教育法の一つです。
レッジョエミリア幼児教育
レッジョエミリア市でおもに行われている独特のスタイルで注目を集めている
レッジョエミリア幼児教育は、主に美術にちからをいれています。
想像や創造をいかして、自由な発想でイマジネーションに満ちた空間を自分達で表現していきます。
この幼児教育は、世界中の教育関係者やデザイナーにも注目されています。
自らの発想と想像により、自発的になにかに取り組むことで積極的な行動力、判断力も育みます。
イギリスの幼児教育
無償の就学前教育
イギリスのイングランドでは、無償の就学前教育 が行われています。
2~4歳向けの保育園(nursery school)
4~7歳向けの幼稚園(infant school)に併設された保育学級(nurseryclass)
があります。
義務教育は、小学校(primary school)において5歳から始まります。
初等教育・中等教育における義務教育では、
日本のような1学年ごとではなく2~3学年をひとまとめにしたキー・ステージという各段階にわけた教育が行われています。
キー・ステージ1(5~7歳)
キー・ステージ2(8~11歳)
キー・ステージ3(12~14歳)
キー・ステージ4(15~16歳)
イギリスではチャイルドマインダーと呼ばれる資格があります。
イギリスで100年ほど前に誕生したこのチャイルドマインダーは、
家庭内でより家族に近いアットホームなスタイルで保育ができる利点があります。
少人数制のため、ひとりひとりに目が届きやすく、子どもと保育者のかかわる機会も多くなります。
日本でも、このチャイルドマインダーの資格を取得することができますが、
まだ国家資格ではなく、民間資格となります。
チャイルドマインダーは少しづつ人気が上がってきているので、
今後、注目していくべきです。
フランスの幼児教育
フランスの幼児教育者セレスティン・フレネ
フランスの幼児教育者として有名なのは、
セレスティン・フレネ(1896~1966)が最も知られています。
子ども達の表現・生活そのものから学習するスタイルをとり、
授業時間などにとらわれることなく学ぶというのが特徴です。
先生と生徒が課題を考え、自分たちの力で課題ノートを作ります。
調べ物をするのに必要な学級文庫 Bibliotheque de travail というのも
フレネにより整えられたものです。
印刷機や道具、手作業により、仲間と一緒に学習することで、
共同学習や、自ら考えて計画をたてたり、それに沿って目標を達成する能力を養います。
フレネは、子ども達が持つ、好奇心から生まれる行動力をつかって、
じぶんから積極的に学習に取り組めるようにしました。
フレネの教育は、現代の日本の教育に必要な要素が多く含まれているように思います。
フレネの教育は、ただ与えられた問題を解決するだけの教育ではなく、
じぶんで様々な疑問や問題を特定し、原因をつきとめ、
自分たちの力で解決する方法を考える教育です。
これは、日本では最近「問題解決能力」というふうに言われているものと似ています。
また、驚くことに、子どもたちが、自分たちの作文を文集として印刷、販売し、
それから資金を得て、さらに自分たちの更なる企画を推進していくシステム(学校印刷所)
というものもあります。
子どもたちの自主的な活動である「イニシアティブ」を大切にしているのがフレネ教育です。
オランダの幼児教育
ピラミッドメソッド
オランダの幼児教育で最も有名なのはピラミッドメソッドです。
ピラミッドメソッドは、オランダ政府教育機関が考えた3歳から6歳までの幼児教育法を指します。
子ども達は与えられたテーマに沿って、おもちゃや共同作業をとおして、遊び(学習)ます。
教師が遊びに変化をつけながら、子どもの発達に合わせた内容の遊びがスムーズに展開されるように手助けするのが特徴です。
子どもたちの「なぜ」?という疑問を自ら発見できるように、
質問を投げかけながら自ら答えを出せるように仕掛けていきます。
このようなさまざまな教育的な働きかけにより、高い言語能力や社会性が実証されています。
オランダ・イエナプラン教育
オランダ・イエナプラン教育はドイツから生まれたイエナプラン教育や
フレネ教育やアメリカの教育システムなどを取り入れた教育法です。
オランダ・イエナプラン教育は、3学年が1クラスになり、
話し合いながら共同作業を行なうシステムとなっています。
上下関係や作業分担が自然に成り立ち、意見を出したり、受け入れたりしながら、
高い社会性を築くことができるのがこの教育の特徴です。
例えば1年生は2・3年生と一緒となりますが、毎年新しく1年生が入り、
3年生は次の4・5・6年生のグループに移動するので、共同作業の中で繰り返し、
きちんと話を受け入れたり、リーダーシップをとったりと、さまざまな役割りを果たすことになります。
いろいろなテーマをもとに、
サークル対話→学習→遊び→催し→サークル対話→・・・・というような
一定のサイクルのもとで自分たちで学んでいきます。
教師の一方的な教育ではなく、子どもたちが自ら学んでいく姿勢や意欲を大切にしています。
スイスの幼児教育
スイスの代表的な幼児教育者ピアジェ
ジャン・ピアジェ(Jean Piaget, 1896年8月9日 -1980年9月16日)は、スイスの心理学者です。
20世紀において最も影響力の大きかった心理学者の一人です。
発達心理学者としては、「質問」と「診断」という手法も行いました。
また、子どもの言語、世界観、因果関係、数や量の概念などの研究を展開しました。
そのなかで思考発達段階説というものがあります。
ピアジェの思考発達段階説
感覚運動期(0~2歳)
感覚と運動が表象(頭の中のイメージ)を介さずに直接結び付いている時期。
前操作期(2~7歳)
他者の視点に立って理解することができない。自己中心性の特徴を持つ。
具体的操作期(7~12歳)
数や量の概念が成立し、また、一度変化したものをもとに戻す操作も行える。
形式的操作期(12歳以降)
形式的、抽象的操作が可能になり仮説演繹的思考ができるようになる。
※仮説演繹的思考
「すべてのカラスは黒い」という仮説をたてたなら、「次に観察するカラスも黒いはずだ」と予測でき、その予測が確かめられることで仮説がより真実に近づいていきます。このようなプロセスを仮説演繹法といいます。
アメリカの幼児教育
ヘッドスタートプログラム
アメリカアメリカの幼児教育に対する関心の高さは、ヘッドスタートプログラムというものをみれば
すぐにわかります。
ヘッドスタート(Head Start)は、アメリカ合衆国のHHSという健康及び人的サービス省の
行っているプログラムで、低所得者層の3歳から4歳の子どもを(環境不遇児)対象としたものです。
「ヘッドスタート」という言葉自体は、スマートでなめらかな滑り出し、
つまり順調な出発を意味するものです。
合衆国では長期にわたって継続されている国民的な就学援助のためのプログラムです。
就学前に少なくともアルファベットが読めるように、10までの数が数えられるように、
というのが目標として設定されています。
これは、低所得者層の子どもや家族に教育だけでなく、
健康、栄養、そして両親をもふくめたサービスを提供しようというもので、
2005年の後半では、2,200万人の就学前の子どもたちが、ヘッドスタートに参加しています。
規模としては、2005年を例にとっていえば、
6,800億ドルの予算が、9 05万人以上の子どもたちのためにつかわれています。
多くのお金が教育に投資されているよい環境ですね。
サービスは、1,604のさまざまなプログラムにより提供され、
ほとんどすべての州、すべての郡にまたがって48,000以上の教室で行われています。
平均して、1人の子どもに対して7,222ドルの政府支出がなされているということです。
といってもあまり実感がわかないと思います。
これは、政府レベルの事業としては、宇宙開発に次ぐ予算規模に相当し、
また、おどろくことに、ほぼ211,000人に上る有給スタッフの6倍にも及ぶボランティアスタッフ
が参加しているとのことです。
ユダヤ人の幼児教育
ノーベル賞受賞率の高いユダヤ人
ユダヤ人のノーベル賞受賞率の高さは有名です。
世界人口の約0.25%しかいないユダヤ人ですが、ノーベル賞の受賞率は20%ほどになります。
このような高い受賞率にはやはり、理由が存在するようです。
ユダヤ教の厳格な教えを幼児期から厳しくたたきこまれ、生涯にわたり、膨大なユダヤ教の内容を素読・理解できるようになるように学習していく必要があるとされています。
ユダヤ人などに習い、素読を積極的に取り入れている教育者も多くおり、
素読は脳の活性に大変優れた効果があるとされています。
ユダヤ人は、幼児期の教育の重要性を認識しています。
そのため、母親による徹底した教育(英才教育)がなされています。
厳格なユダヤ教を知らなければ、戒律をおかしてしまうためでもありますが、
知的な才能に大きな価値があることもよく理解している方が多いです。
また、幼少期よりユダヤ教による徹底した道徳教育を行なっているため、
非行や非道徳的な行動をとる子どもは極めて少ないようです。
生涯を通してユダヤ教を学ぶことによって、大変優秀な才能を得ることにも繋がっているようです。
アルベルト・アインシュタイン
ユダヤ人として最も有名な人物の一人はアインシュタインですが、
アインシュタインもユダヤの厳しい環境の中で育った一人です。
毎日の生活環境の中で、多くのユダヤ人がほぼ強制的にこのように厳しい環境にあるため、
世界的にみてもも多くの天才を生み出していると考えられます。
実際にユダヤ人と日本人のノーベル賞受賞者を比べてみると
ユダヤ人 150人以上
日本人 10数人
となります。
念のため、母数である人口をユダヤ人は約1300万人。日本人は約1億2800万人。
人口から計算すると、約150倍近い受賞率であることがわかります。
ここからも幼児教育が大切であることがわかります。
さいごに
ここまで幼児教育で有名ないくつかの国の幼児教育をご紹介しました。
どうでしたか?
私自身、知っておどろくことがたくさんありました。
アメリカのヘッドスタートプログラムなどは日本も取り入れるべきだと思いました。
現在、待機児童などがあふれる日本では大切な幼児期をなにもしないで過ごしてしまっている
こどもや、幼児教育の重要性を知らないために、家庭教育を軽視シてしまっている方も
たくさんいます
ぜひボランティアなどで待機児童に幼児教育をもたらすことができるとよいですね。
フィンランド式読み聞かせなどは自宅でもすぐに実践することができます。
詳しいやり方を知りたい方はこちらを参考にしてみてください!
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