目次
はじめに
うつ病は、大人だけのものと思っている方がいらっしゃったら、それを大きな誤解をしています。
近年、10歳を超えるとうつ病の患者は増え始め、
最近は低年齢化も指摘されてきています。
そして、子どものうつ病の厄介なところは、
●見逃されやすい
●本人も保護者も気付かぬうちに悪化するケースが多い
ということです。
ここでは、うつ病の原因から、うつ病のこどもが出すSOSを紹介します。
ぜひ、今後、受験や幼稚園の入園など、新しい生活、そして環境に
入っていくお子さんをお持ちの保護者は参考にしてください。
近年、うつ病を発症する子どもが増えている!
まだまだ、子どものうつ病は馴染みがないので、
「子どももうつ病にかかるの?」と疑問に思われるかたが多いかもしれません。
最近はメディアなどで子どものうつ病が取り上げられることがあります。
しかし、まだまだ子どものうつ病が十分に理解されているとは言い難い状況です。
最近、うつ病の子どもは明らかに増加しています。
その理由は、以前はうつ病と診断されていなかった症状が、
うつ病と診断されるようになったこともあります。
かつては思春期に特有のうつな精神状態として見逃されていたものが、
うつ病と診断されるケースが増えているのです。
加えて、うつ病にかかる子どもの年齢も徐々に下がってきていることも
指摘されており、うつ病の子どもの数自体が増加していることもうかがえます。
子どものうつ病はなぜ見逃されやすい?
子どものうつ病が理解されにくい理由として、
もともと思春期などは精神的に不安定になりやすいとうのがあります。
憂うつな気分は、もちろん一時的な場合もありますが、
長く続いて、眠れなくなったり、食欲が落ちたりなど、集中力の低下などをもたらし、
学習や人間関係に影響が出ることもあります。
このようになると、うつ病と診断されることが少なくありません。
さらに大人のうつ病とこどものうつ病では、
うつ気分の表現のしかたが異なることも理解されづらい理由です。
みなさんは、うつ病というと、悲観的な考え方になって意欲を失ってしまう姿をイメージすると思います。
しかし、子どもの場合はそのような症状がある一方で、さらにイライラしたり怒りやすくなったりする姿も目立ちます。
それを「反抗期だから仕方ない」と捉えられてしまうことが多くあります。
これが、子どものうつ病が見逃されやすい理由なのです。
また、小さい子ども自身、うつ病に対する知識が乏しく、
自分の内面で起きている変化をうまく説明できないことも気付かれにくい要因の一つです。
まずはうつ病は大人・子どもを問わず、誰にでも起こりうる病気であることを理解。
多くの場合、治療を受ければうつ病は治ります。
また、発症の要因となったストレスとの向き合い方も身に付けることができます。
しかし、反対に放置すると
●症状は悪化
●勉強やクラブ活動がうまくいかなくなる
●家族や友人と良好な関係を保てなくなる
などさまざまな悪影響をもたらします。
また、ひどいときには不登校や引きこもりを引き起こすケースも見られます。
10代という大切な時期を有意義に過ごすためにも、
こどものうつ病は早期に適切な治療を受けることが必要不可欠になります。
そのためにも、子どもがうつ病にかかるのは珍しくなく、
誰にでも起こりうることだということをまずは理解することが必要になります。
子どもがうつ病かもしれない7つのSOS
次のような言動が子どものうつ病のサインとなることを覚えておいてください。
◆「自分はダメだ」といった悲観的・絶望的な言葉が増え始める
◆「疲れた」と言うことが多くなる
◆イライラして家族に当たるようになった
◆何に対しても興味が持てず、楽しいと感じられなくなる
◆気力や集中力が低下し、成績がガクンと落ちる
◆仲が良かった友達と付き合わなくなる
◆登校するのを嫌がるようになった。
子どもは精神的なつらさを感じても、
「自分はうつ病かもしれない」とは考えません。
そのため、保護者が身長に見守って、気付いてあげる必要があります。
以上の発言などが見られた場合は、うつ病の可能性を意識して、
子どもの姿をいつも異常に注意深く見守りましょう。
できれば、、「最近、つらそうだね」などと悩みを聞くなど
子どもが会話をしてあげるようにしてください。
それでもこうした状態が続くようなら、早めに受診することをおすすめします。
うつ病の子どもが不登校になることは少なくないと見られていますが、
なってからでは遅いです。
学校で友達とコミュニケーションを取ろうとせずに、
孤立しているケースもあります。
なかなか子どもは気持ちを言葉に出しません。
そのため、親がアンテナを常に張っておくことが大切になります。
子どもがうつ気分に悩んでいるときに親ができることは?
子どもがうつ病かもしれないと感じたら、
ぜひ保護者にしてほしいことがあります。
また、これは、うつ病の予防にも通じることですので、
普段から意識しておくと良いと思います。
◆厳しく叱らず、気持ちを受け止める
叱ることは、うつ病の子どもに対して最もやってはいけません。
学校や園に行く前に泣き始めたり、沈黙を続けてたりしているときに
「泣いてちゃわからない!」「黙ってちゃわからないでしょ!」
と叱ってはいけません。
それがうつ病の場合、話は深刻です。
そのときの子どもの状態に合わせて無理をさせず、やれることをやり、
できたことを認めるという態度を徹底してください。
それが、子どもが徐々に自信を取り戻す支えとなっていきます。
もちろん「結果」というのは大切です。
しかし、小さいうちは「がんばったプロセス」をほめてあげてください。
◆うつ病を予防することを意識しましょう
うつ病は、基本的には予防できる病気です。
普段からうつ気分を悪化させない接し方を心がけることが大切です。
「◯◯ちゃん、もう5歳でしょ!なんでこんなこともできないの!」
というような言葉をこどもに浴びせたりはしていませんか?
親としてはしつけのつもりでも、これは子どもの内面に不安はくすぶり続け、
それが大きくなるとうつ病につながることもあります。
できるだけ前向きな言葉をかけるコミュニケーションを心がけてください。
子どもは元気いっぱいなように見えて、体力的には
大人に比べると小さいものです。そのため、疲れやすいです。
「疲れた」「つらい」といった言葉が聞かれたら、
それ以上がんばらせずに休ませるようしましょう。
誰でも嫌なことがあったり疲れたりしたら「プチうつ」の状態になるものです。
その状態を本格的なうつ病に悪化させないためには、
ゆっくりと眠ったり、ぼんやりと時間を過ごしたり、
自分の好きなことをさせたりなど休憩させてあげることが大切です。
◆「なぜ?」の答えである”うつ病の原因”を特定しよう
うつ病の原因を特定し、取り除くことも大切です。
明確な原因がわからない場合、まず親子関係を見つめ直してみてください。
うつ病の子どもは、多かれ少なかれ、
親子関係からストレスを受けていることが多いのが現実です。
家族の環境によっては祖父母などとの関係性も考慮する必要があります。
ただし、親子関係を見つめ直して改善していくことは簡単でないので、
場合によっては、医療機関に相談するようにしましょう。
さいごに
ここまでこどものうつ病に関して解説してきました。
受験をひかえているお子さんや新しい環境に入ろうとするお子さんは、
ストレスを感じやすいです。
なぜなら、こどもはさまざまなことに敏感だからです。
しっかり、注意深くこどもを見守って、もしうつ病かも?と思う症状が
見られるようになったら、早めに治療をさせてあげてください。
そして、可能性にあふれた幼児期を過ごさせてあげてください。
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