目次
はじめに
近年では、こどもたちの学力低下が問題として挙げられています。
環境の変化、時代の変化などさまざまな要因がからみ合って
このような結果を生んでしまっているのが現状です。
ここでは、まず、近年「幼児教育」がよく唱われるようになった背景をみていきます。
そして、「幼児教育とはなにか」、そして「幼児教育の重要性」について、
早期教育との違いにふれつつみなさんに知っていただきたいと思います。
こどもたちの学力低下におけるさまざまな要因・・・
一番の原因は家庭教育の低下・・・
幼児教育が行われる一つの場としての家庭における子育てについても,
その環境などが変化してきています。
子育てに大切なのは,子どもに限りない愛情を注ぎ,その存在に感謝し,
日々成長する子どもの姿に感動して,親も親として成長していくという
大きな喜びや生きがいをもたらすことです。
しかしながら,現代の親御さんは本来,我が子を自らの手で育てたいと
思っているにもかかわらず,子どもにどのようにかかわっていけばよいか分からず
悩み,孤立感を募らせ,情緒が不安定になっているという人も多くいます。
また,女性の社会進出が一般的になり,仕事と子育ての両立のための支援が進んでいますが、
まだまだ充実したものとは言えません。
そのため、うまく子育てと仕事を両立できない家庭も増えています。
子育てに専念することを選択したものの,そのような生き方で良いのか不安を覚え,
子育ては「自分の人生にとってハンディキャップではないか」と感じてしまう親御さんも
なかにはいらっしゃいます。
一方でたくさんの便利なものがある時代に育ってきた今の親の世代にとって,
必ずしも効率的でも,楽でもなく,自らが努力してもなかなか思うようにはならないことが多い
子育ては,困難な体験であり,その喜びや生きがいを感じるというより,
ストレスばかりを感じてしまいがちです。
また,経済状況や企業経営を取り巻く環境が依然として厳しい中,
労働時間の増加や過重な労働などの問題が生ずる傾向にあり
,親が子どもと一緒に食事を取るなどの子どもと過ごす時間も少なくなっています。
このことも親の子育て環境に影響を与えている要因であるといえます。
そのため、幼児は人を愛し,人を信じる心など,人との関係性の根幹を形成する上で必要となる,
信頼できる大人との1対1による絶対的な依存関係を確保することが難しくなり,
子どもの健やかな成長にとって何らかの影響があるのではないかと懸念されています。
核家族化(親とその子どもだけの世帯)の進行も大きな原因・・・
地域社会などにおいて子どもが育つ環境が変化しています。
というのは、少子化,核家族化(親とこどもという世帯)が進行し,
子どもどうしが集団で遊びに熱中し,時には葛藤しながら,
互いに影響し合って活動する機会が減少するなど,
様々な体験の機会が失われているということです。
昔は祖母や祖父もいっしょに住む家庭が多かったので、
お母さんやお父さんが働いていても、おばあちゃんおじいちゃんが
小さい子供にさまざまなことをたくさん教えてくれました。
そのため、こどもは小さき時にさまざまな教育を受けて、
感性豊かに育つことができました。
都市化による子どもたちの遊ぶ環境の減少していることも・・・
都市化や情報化の進展によって,子どもの生活空間の中に自然や広場などといった
遊び場が少なくなる一方で,テレビゲームやインターネット等の室内の遊びが増えるなど,
偏った体験をする傾向にあります。
もちろん、インターネットで以前にはできなかった、新たな教育をすることはできます。
しかし、幼児期というのはさまざまな体験をすることが最も効果的であり、
その研究結果もでています。
そのため、都市化によって自然環境が減ってしまっているのは、
幼児教育を行うにあたって大きい問題になっています。
人間関係・地域社会のつながりが弱くなっている・・・
昔は地域同士のつながりが強く、地域の人々も自分の子供でなくても興味・関心を
しっかりこどもたちにもっていました。
そのため、なにか悪いことをしたらしっかり叱って、良いことをすればほめたりなど
現代とちがって地域のつながりや人間関係が強かったです。
しかし、人間関係の希薄化等により,地域社会の大人が
地域の子どもの育ちに関心を払わず,積極的にかかわろうとしない,
または,かかわりたくてもかかわる方法がわからない状態になっています。
これらのことを通して、親が,子どもを育て,その喜びや生きがいを感じながらも,
仕事やボランティア活動等,様々な形で社会とのかかわりを持つことで,
子育てのほかにも様々な活動を通じて自己実現を果たせる環境を整えることが目指されています。
幼児教育とは?
幼児とは,小学校就学前のこどもを意味します。
幼児教育とは定義からいうと,幼児に対する教育を意味し,幼児が生活するすべての場において
行われる教育を総称したものである。具体的には,幼稚園における教育,保育所等における教育,
家庭における教育,地域社会における教育を含み得るなど広い意味で用いられます。
幼児教育って大切なの?
人の一生において,幼児期は,生涯にわたる人間形成の基礎が培われる極めて重要な時期です。
幼児は,生活や遊びといった体験を通して,情緒的・知的な発達,あるいは社会性を育み,
生きていくために必要な「生きる力」を育んでいきます。
このころの子どもたちの成長は目覚ましく、
文部科学省も「幼児期における教育の重要性」を掲げているほどです。
幼児教育で育む力「生きる力」とは・・・
幼児教育は,次代を担う子どもたちが人間として心豊かにたくましく「生きる力」
を身に付けられるよう,生涯にわたる人間形成の基礎を培う重要な役割りがあります。
幼児教育は,知識や技能に加え,思考力・判断力・表現力などの「確かな学力」や
コミュニケーション能力、忍耐力など「豊かな人間性」,たくましく生きるためのを含む
「健康・体力」「生きる力」の基礎を育成する役割を担っています。
幼児教育はその後の「人格」形成にも影響がある・・・
「三つ子の魂百まで」
この意味は、幼い頃の性格は、年をとっても変わらないということ、です。
まさにこれは幼児教育の考えにぴったりです。
幼児期に経験した事や学んだことが基礎になって、
生涯のその子どもの「人格」が形成されていきます。
幼稚園でよく見られるおもちゃの取り合い・・・。
たろう君はけんと君が使っているおもちゃを横取りました。
するとけんと君は泣いてしまいます。。。
それを見てたろう君は「ごめんね。ぼくもこれ使いたかったの。」と
謝って気持ちを正直に伝えました。
するとけんと君も「僕もごめん。一緒にこれ使ってあそぼうよ!」
声をかけました。
そして、二人はそのおもちゃを使っていっしょに楽しく遊びました。
これはわたしが以前幼稚園に行った時に見かけた子どもたちのやりとりです。
「こうやって、協調性や人間性、社会性が育まれていくんだなあ」
と実感しました。
こうしたやり取りを経験していく事で、子どもの「社会性」が育まれていくのです。
だから、幼児期に経験すること、見たこと、感じたこと、どれもが「学び」として
吸収されていき、たいへん重要なものになるのです。
幼児教育と早期教育の違いってなに・・・
幼児教育とは,受験などを念頭に置き,専ら知識のみを獲得することを先取りするような、
いわゆる早期教育とは違います。
幼児教育は,目先の結果のみを期待しているのではなく,さきほど言った「生きるちから」と,「将来、伸びていく力」を培うことを重視しています。
幼児は、五感を活かした多様な活動を経験することによって,豊かな感性を養うとともに,
生涯にわたる学習意欲や学習態度の基礎となる好奇心や育み,また,
小学校以降における教科の内容等について実感を伴って深く理解できることにつながる
「学ぶための土台」を作ることが大切です。
このような特質を有する幼児教育は,幼児の内面に働き掛け,
一人一人の持つ良さや可能性を見いだし,その芽を伸ばすことをねらいとするため,
小学校以降の教育と比較して「見えない教育」と言われることがあります。
将来のために幼児期に身につけるべきもの
すべての学びの基礎である好奇心
子どもにとって、知ることによって世界が広がるということは、非常に楽しい経験です。
その楽しさを発展させることも教育なのです。
本来、子どもは好奇心が育つものですが、現代は環境も前述したような問題があり、
周りの大人が邪魔をすることで子どもが臆病になり、積極的に動かなくなってしまいがちです。
しかし、好奇心はすべての学びの基礎として大切です。
しかし、目には見えません。だから確認することはむずかしいです。
けれども、その好奇心は大人になってから芽生えることは少ないです。
好奇心は毎日の生活の中で養われるものであり、小さい頃から家庭の中で育まれるものです。
それを裏付けるものとして、難関中学に合格しご家庭では、
「昆虫への関心が強かったので、自然教室に参加させた」
「電車や恐竜に興味があったので、博物館や発掘現場に連れていった」など、
知的好奇心を刺激する取り組みしていた家庭が多くあります。
一見、「遊び」と思うようになることでも、
それは幼児期の子どもにたいへん大きな刺激を与えるのです。
このように、親の関わり方によって子どもを伸ばすことができます。
さいごに
近年のこどもの学力低下の要因、そして幼児教育とその重要性について少しでも
わかっていただけたでしょうか?
幼児期というのは人生で最も短い時期ですが、
この時期をどうすごすかであとが決まってきます。
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